令和7年度も江東区ではエネルギー価格高騰対策補助金(令和7年度)が支給されることが決定されました。
江東区エネルギー価格高騰対策補助金は、江東区内の事業者を対象としており前年(前期)の水道光熱費・燃料費(エネルギー関連費)の金額に応じて2万5千円~15万円が補助されます。
昨年令和6年度でも同様の補助金が支給され多くの方が受給されたかと思いますが、一方で情報が届かなかったことにより要件を満たしているのにもかかわらず受給できなかった方も多いようです。
そこで当ページでは江東区エネルギー価格高騰対策補助金の概要について、その内容や申請時のポイントなどをご紹介いたします。
また、「補助金」という名称を用いていますが、通常の補助金のように事業計画の策定や、事業計画に基づく支出など難しい手続きはなく、前年(前期)に一定金額以上の水道光熱費・燃料費(エネルギー関連費)を支出していることが決算書上で表記されていれば良いため、多くの事業者の方が申請することが可能です。
※本記事は2025年6月2日時点の情報です。最新の情報は江東区ホームページよりご確認ください。
※個別の相談には対応しておりませんので電話、問合せフォームなどからのお問い合わせには一切応じません。
補助対象者
まず、どのような方が補助対象者となるかについて説明します。
江東区エネルギー価格高騰対策補助金の補助対象者は下記のとおりです。
次の要件をすべて満たす中小企業者であること (1)法人にあっては本店、個人にあっては主たる事業所を江東区内に有する中小企業者であること。 (2)直近の事業年度について、確定申告が行われていること。 (3)直近の確定申告において、事業収入額が300万円以上であること。 (4)直近の確定申告において、エネルギー関連費(水道光熱費・燃料費)が5万円以上であること。 (5)直近の法人住民税(個人にあっては住民税)を滞納していないこと。 (6)江東区中小企業融資の借り入れなどにより、信用保証料・利子・その他補助金の返還が生じた場合、区に返還済みであること。 |
また、上記の要件に該当していた場合でも、下記に1つでも該当する場合は補助対象外となります。
(1)大企業等(中小企業者以外の事業者)が実質的に経営に参画している。 (2)暴力団、暴力団員、暴力団関係者が実質的に経営に参画している。 (3)風営法第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業その他これに準ずる事業を営んでいる。 |
前年令和6年度との大きな変更としては、①住所所在地の不問と、②エネルギー関連費の下限変更があげられます。
前年令和6年度では「個人にあっては住所及び事業所等が江東区内に所在すること」という要件となっており、事業所は江東区内にあるが事業主の住所は江東区外であった場合は申請対象となりませんでした。令和7年度ではこのような場合でも申請することが可能となりました。
ただし、令和7年度の補助対象者の要件は「主たる事業所を江東区内に有する」となっていますが、この「主たる事業所」は交付要綱において「直近の確定申告において税務署に届出がされている事務所・店舗・工場等をいう」となっているため、ただ事務所・店舗があれば対象となるわけではなく、開業届に江東区内の事務所所在地の記載がされていることや、納税地が江東区内の事業所となっていることが必要と考えられます。
また、法人の場合は本店が江東区内にあることが引き続き要件となっているため、事業所は江東区内にあるが本店は江東区外であった場合は申請することができません。
また、前年令和6年度では「エネルギー関連費(水道光熱費・燃料費)が10万円以上であること」という要件となっておりましたが、令和7年度は5万円以上と下限が変更されているため、より小規模な事業者も補助対象となりました。
補助対象経費
上記の補助対象者の要件にもあったとおり、当補助金はエネルギー関連費を補助することを目的とするため、「直近の事業年度の所得に係る確定申告におけるエネルギー関連費(水道光熱費、燃料費)」を補助対象としています。
補助金額
直近の事業年度のエネルギー関連費 | 補助金額 |
30万円以上 | 15万円 |
20万円以上 30万円未満 | 10万円 |
10万円以上 20万円未満 | 5万円 |
5万円以上 10万円未満 | 2万5千円 |
※事業所の数によらず、1事業者あたり1回のみ申請が可能
前年令和6年度では5~25万円であったのですが、より小規模な事業者でも申請できるようになったため下限が2万5千円に減少し、上限についてもエネルギー関連費が30万円以上の場合は一律15万円に減少しました。
申請期間
令和7年6月2日(月)から令和7年10月31日(金)まで
※インターネット申請の場合10月31日23時まで、郵送申請の場合10月31日必着
申請方法
インターネットまたは郵送
※江東区役所窓口では受け付けておりません
必要書類
(1)江東区エネルギー価格高騰対策補助金交付申請書兼請求書(必ずA4用紙で両面印刷してください。)
(2)【法人の場合】発行後3か月以内の履歴事項全部証明書
【個人の場合】発行後3か月以内の住民票の写し
(3)【法人の場合】直近の法人住民税の納税証明書
【個人の場合】令和7年度(令和6年度分)住民税の納税証明書
(6月中に申請する場合は令和6年度(令和7年度分)住民税の納税証明書も可)
(4)直近の事業年度の所得に係る確定申告における事業収入額を証する書類
【法人の場合】直近の確定申告書別表一及び
直近の決算書類の損益計算書で売上高が記載されているページ
【個人の場合】令和6年分所得税青色申告決算書の1ページ目(損益計算書)
または白色申告の場合 令和6年分収支内訳書の1ページ目
(5)直近の事業年度の所得に係る確定申告におけるエネルギー関連費の額を証する書類
※上記(4)の書類でエネルギー関連費を確認することができる場合は不要だが、原価計算を行っている場合や水道光熱費、燃料費を車両費等の他の科目に計上している場合は、製造原価報告書や販売費及び一般管理内訳書、内訳資料(勘定科目元帳の該当ページ等)をご提出ください。
(6)振込先口座の分かる通帳の写し
- 申請書以外の(2)から(6)の添付書類はコピーで構いません。
- 添付書類もできるだけA4用紙でプリントしてください。
申請のポイント
令和6年度を受給している場合も令和7年度を申請することができるか
令和7年度も改めて申請することが可能です。
住所や事業所が江東区外の場合
法人の場合は、事業所が江東区外であっても本店所在地が江東区内であれば補助対象となります。
個人の場合は、事業所が江東区内にある必要があります。したがって、事業主の住所が江東区外である場合は対象となります。ただし、令和7年度の補助対象者の要件は「主たる事業所を江東区内に有する」となっていますが、この「主たる事業所」は交付要綱において「直近の確定申告において税務署に届出がされている事務所・店舗・工場等をいう」となっているため、ただ事務所・店舗があれば対象となるわけではなく、開業届に江東区内の事務所所在地の記載がされていることや、納税地が江東区内の事業所となっていることが必要と考えられます。
創業して1年未満でも申請することができるか
対象の事業についての確定申告を1度でも行っており、事業収入が300万円以上であれば申請することが可能です。
例えば、個人事業主が令和6年12月に開業し、12月だけで売上が300万円以上である確定申告を行っている場合などが該当します。
令和6年度では「開業日から引き続き1年以上事業を営んでいること」と要件がありましたが、令和7年度では当該要件がなくなっています。
税込金額と税抜金額
当補助金はエネルギー関連費の金額に応じて補助金額が増減します。
そのため、エネルギー関連費の金額が税抜290,000円の場合は補助金額10万円となり、税込319,000円の場合は補助金額15万円となります。
この点については、直近の事業年度の損益計算書に掲載された金額をもとに判定することになるため、決算書が税抜であれば税抜で、決算書が税込であれば税込で判定することとなります。
水道光熱費、燃料費以外の科目にエネルギー関連費が含まれる場合
ガソリン代などが旅費交通費という科目に計上されている場合など、当補助金の対象としているエネルギー関連費が水道光熱費、燃料費以外の科目に含まれているケースが想定されます。
その場合、該当する経費が計上されている科目の元帳を併せて提出することにより、エネルギー関連費に含めて申請することが可能です。
申請日についての注意点
当補助金は「直近の事業年度のエネルギー関連費が5万円以上」というように、直近の確定申告の内容によっては対象や補助金額に変動が生じます。
例えば、7月決算の法人が申請しようとした際に、7月31日までの申請であれば令和6年7月期の決算数値に基づき、8月1日以降の申請であれば令和7年7月期の決算数値に基づき申請することとなります。
つまり、令和6年7月期の決算ではエネルギー関連費が20万円であったため補助金額は10万円になるが、令和7年7月期の決算ではエネルギー関連費が30万円以上となれば補助金額は15万円となる可能性があるわけです。
また、9月決算の法人が上記のように令和7年9月期の決算に基づき10月1日以降に申請しようと考えた場合、決算には概ね1ヶ月程度要し、納税証明書が発行されるのは申告後1週間程度を要します。そのようなことから、8月や9月決算の法人はあえて決算月が経過する前に申請しないと申請期限に間に合わない可能性がありますのでご注意ください。
不動産所得は対象外
当補助金は個人の不動産所得については対象としていません。
補助対象者の要件に「事業収入額が300万円以上であること」とあり、この「事業収入額」は交付要綱第2条において下記のように規定されています。
法人にあっては確定申告に係る売上高(個人にあっては確定申告に係る営業等の収入の額)をいう。 |
この「営業等の収入の額」は事業所得の売上高を意味しているため、不動産所得は対象外となります。