事業復活支援金の概要

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第2次岸田内閣発足により、政府が経済対策の柱の一つとして検討している中小企業向けの新たな給付金が創設されました。

新たな給付金の名称は「事業復活支援金」。新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業は業種を問わず対象となり、事業規模によっては最大で250万円を支給する方針です。この点、緊急事態宣言等の影響を受けた地域・業種に限定していた一時支援金や月次支援金とは異なり、昨年の持続化給付金のような地域・業種を問わない給付金です。

※本記事は2022年1月18日時点の情報です。最新の情報は事業復活支援金ポータルサイトまたは中小企業庁ホームページなどでご確認ください。
※個別の相談には対応しておりませんので電話、問合せフォームなどからのお問い合わせには一切応じません。

給付対象

まず、どのような方が給付の対象となるかについて説明します。

事業復活支援金の給付対象は下記の通りです。

新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化に伴う需要の減少又は供給の制約により大きな影響を受け、自らの事業判断によらずに対象月の売上が基準月と比べて50%以上又は30%以上50%未満減少した法人及び個人事業主

要約すると「新型コロナの影響で2021年11月~2022年3月の売上が、過去3年の同月のいずれかの売上に比較して30%以上減少している法人と個人事業主」という要件となります。

「対象月」や「基準月」という用語の説明は下記の通りです。

対象月2021年11月から2022年3月のいずれかの月
基準月対象月の前年または前々年、3年前と同じ月で、売上高の比較に用いた月

したがって、売上の減少要件は2021年11月から2022年3月までの間で1ヶ月の売上を、前年または前々年だけではなく、3年前と比較することが可能です。

さらに、50%以上減少した事業者だけでなく、30%以上減少した事業者にも支給されます。この点については過去の持続化給付金・一時支援金・月次支援金と比較しても要件が緩和されています。

また、「新型コロナウイルスの影響」については9つの類型が定められており、申請する場合はいずれかの類型を選択する必要があります。

給付額

給付額については、売上の減少率や事業規模ごとに下記のとおり給付上限額が定められています。

給付上限額

50%以上減30%以上減
個人事業主最大50万円最大30万円
法人(年商1億円未満)最大100万円最大60万円
法人(年商1~5億円)最大150万円最大90万円
法人(年商5億円以上)最大250万円最大150万円

マスコミ等で「最大250万円」というワードが飛び交っていますが、250万円給付されるのは年商5億円以上の法人に限定されており、多くの方は個人事業主最大50万円、法人は100万円に該当すると思われます。

さらに、上記はあくまで「上限額」で実際の給付額は下記の計算式で求めます。

給付額 = 基準期間の売上高 ー 対象月の売上高×5

基準期間の売上高は、売上の比較に用いた基準月の属する11月~3月の売上を意味します。そのため、過去の売上が少ない場合や、売上の減少額が少ない場合には、給付額が上限額に満たない可能性があるため注意しましょう。

また、売上の減少率に応じて給付額も変動するため、できれば50%以上減少となった月を対象月として申請した方が良い点に注意が必要です。

なお、一旦30%以上減少した月を対象月として申請したものの、後日50%以上減少した月が生じた場合、あらためて再申請することは可能です。ただし、再申請する場合には初回申請の方の受付終了後となるため、差額分が給付されるまでには時間がかかります。

なお、個人事業主の方で白色申告者の場合には、基準月の売上はその年の月平均売上となり、また法人の年商の判定は基準月の属する事業年度で判定することとなる可能性が高いと思われます。

申請期間

申請開始については2022年1月31日の週から開始となる予定です。

一方、申請期限については従来の月次支援金では対象月の翌々月の末日が申請期限となっていたことから、最後の対象月3月の翌々月末日である5月31日となる可能性が高いと思われます。

なお、対象月の売上が確定しなければ給付要件が確認できないため、選択した対象月の翌月1日以降でなければ申請できません。例えば、2月を対象月とした場合には、2022年3月1日から申請が可能となります。

また、個人事業主が1~3月を対象月とした場合には令和3年分の確定申告書を税務署に提出した後でなければ申請できないため、申請期限がタイトになる点に注意が必要です。法人も同様に1月決算の法人が2月を対象月とする場合にも、直近の確定申告書を提出した後でなければ申請できません。

事前確認

従来実施されていた一時支援金や月次支援金と同様に、申請前に「事前確認」という手続きが必要となります(既に一時支援金・月次支援金を受給されている場合は省略できます)。

事前確認とは、申請希望者が①事業を実施しているか、②新型コロナウイルス感染症の影響を受けているか、③給付対象を正しく理解しているか等を、登録確認機関(金融機関や税理士等の士業)の確認を受ける手続きです。持続化給付金の際には、この手続きがなかったため事業を行っていないサラリーマンなどの誤認受給・不正受給が多く生じたため、事前確認という手続きが設けられました。

ただし、事前確認を行う登録確認機関には、書類の確認や申請希望者との面談という手続きを任せておきながら、給付金事務局からは1件2,000円(一定の件数がない場合には支給されない)しか登録確認機関に支給されません。そのため、多くの登録確認機関では「事業性融資のある取引先」「顧問契約をしている取引先」については無償で事前確認を実施していますが、それ以外の申請希望者に対しては実施しないまたは有償で対応しています。

したがって、融資や顧問契約のない申請希望者は、事前確認に対応してくれる登録確認機関を探さなければなりません。また、税理士は個人確定申告などの業務があることから、1~3月はとても忙しい時期となります。そのため、事業復活支援金の事前確認に対応しない税理士も多くなることが予想されます。

当事務所では近隣の地域に限定し、5,000円(税込)にて事前確認を行っております。詳細は下記のページよりご確認ください。

申請方法

申請方法については従来の一時支援金や月次支援金と同様に、ポータルサイトにてID・パスワードを登録して、申請する方法になります。

なお、一時支援金や月次支援金の受給者は、同じIDを引き続き使用することができ、下記の必要書類の一部の省略ができるものと推測しています。

一方、インターネット上で「GビズIDを使用した申請になるのでは」という情報がありましたが、GビズIDがあまり普及していないことや、一時支援金・月次支援金における申請者情報等が活用できないことからも、 GビズIDは使用することはありません。

必要書類

必要書類については従来の一時支援金や月次支援金と同様に、下記の書類が必要となります。

法人宣誓同意書
通帳の表紙・見開き
確定申告書控え(法人事業概況説明書を含む)
対象月の売上台帳
履歴事項全部証明書
個人事業主宣誓同意書
通帳の表紙・見開き
確定申告書控え
対象月の売上台帳
本人確認書類

なお、事業復活支援金では事前確認機関と継続支援関係(顧問契約や事業性融資など)がない場合には、さらに下記の資料の提出が必要となります。

事前確認機関との継続支援関係がない場合の追加書類基準月の売上台帳等
基準月の売上に係る1取引分の請求書・領収書等
基準月の売上に係る通帳等(取引が確認できるページ)

なお、事業において通帳等を全く用いていない場合など、合理的な理由により提出できない場合には、後日ポータルサイトに公開される「理由書」を提出することで代替することができます。

注意点・キーポイント

基準月として過去3年の売上と比較することが可能

過去の給付金では前年または前々年の2年間との比較でしたが、事業復活支援金では前年、前々年に加え3年前との比較が可能です。

対象月を2021年11月とした場合には、2018年11月、2019年11月、2020年11月のいずれかから比較して売上が30%以上減少していれば給付対象となります。

協力金との併給

事業復活支援金は、飲食店などの協力金との併給が可能です。

ただし、協力金の対象となる時短営業や休業等を実施した月を、事業復活支援金の対象月として選択する場合には、協力金を事業収入(売上)に算入しなければなりません。

つまり、協力金を売上に含めても売上30%減少という要件を満たせているようであれば事業復活支援金も申請可能です。

また、2021年11月や2021年12月のように時短営業や休業等を実施していない月を対象月とするのであれば、協力金に関係なく事業復活支援金を申請することが可能です。