【賃上げ促進税制】3種類の制度のどれが利用できるか確認しよう

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賃上げ促進税制には「全企業向け」「中堅企業向け」「中小企業向け」の3種類があり、適用要件がそれぞれ異なります。企業によっては1種類しか利用できないこともあれば、3種類から有利なものを選択することも可能です(併用はできず、いずれか1つのみの選択適用となります)。

【目次】
前提
法人
個人事業主

※本記事は2025年3月14日時点の情報です。最新の情報は中小企業庁ホームページなどでご確認ください。
※本記事についての質問・相談は一切お受けしておりませんので、電話・お問い合わせフォームなどからのご連絡はお控えください。

前提

まず、「全企業向け」「中堅企業向け」「中小企業向け」の3種類の制度のどれが利用できるのかを可能する前に、3種類のすべてに共通して以下の前提があります。

・青色申告書を提出していること
・適用期間(法人は令和6年4月1日以降に開始する事業年度、個人事業主は令和7年分以降)であること
・設立や事業開始して2期目(2年目)以降であること

・前期(前年)において給与等の支払いがあること

まず、3種類の制度のすべてが青色申告書を提出する法人・個人事業主を対象としています。そのため、白色申告の方は賃上げ促進税制を利用することができません。
ただし、あくまで賃上げ税制を適用する事業年度や年において青色申告となっていれば良いため、前期が白色・当期は青色といった場合には、当期については賃上げ促進税制を利用できる可能性があります。

次に、本記事で解説している賃上げ促進税制は令和6年度改正後のもので適用期間は下記のようになっています。

法人個人事業主
令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度令和7年分から令和9年分までの各年

法人については事業年度が12ヶ月であれば令和7年3月決算法人から適用され、令和9年2月決算法人まで利用することが可能です。
個人事業主については令和7年分、令和8年分、令和9年分について利用することが可能です。

もし、上記よりも前の事業年度・年分で利用するのであれば、過去の賃上げ促進税制を調べる必要があります。

また、賃上げ促進税制は給与の支給額を増額させた場合に、その増加額の一定割合を税額から控除する制度であるため、設立開業初年度や前期(前年)において給与等の支払いがない場合には利用することができません。

法人

法人の場合は「前3事業年度の所得金額の平均額」「資本金の額又は出資金の額」「常時使用する従業員数」の3つの判断要素から、利用できる制度が変わってきます。

以下のフローチャートに従って、利用できる制度を判定してみましょう。

上記のように所得金額や資本金の額が大きい会社は「全企業向け」のみしか利用することができませんが、小さい会社については「全企業向け」「中堅企業向け」「中小企業向け」の3種類のすべての制度を利用することが可能です。

個人事業主

個人事業主の場合は「常時使用する従業員数」という1つの判断要素から、利用できる制度が変わってきます。

これで、自身がどの制度を利用できるか判断できたかと思います。

しかし、それぞれの制度で適用要件や控除割合が異なりますので、下記のページにて1つ1つ確認していきましょう。

【賃上げ促進税制】全企業向け賃上げ促進税制の概要
全企業向け賃上げ促進税制は、おおよそ全ての法人・個人事業主が利用できますが、「中堅企業向け」や「中小企業向け」に比べて控除割合は低めになっています。【目次】・適用対象、適用期間・必須要件・控除割合・上乗せ要件※本記事は2025年3月14日時...
【賃上げ促進税制】中堅企業向け賃上げ促進税制の概要
中堅企業向け賃上げ促進税制は、常時使用する従業員数が2,000人以下の法人・個人事業主が利用できますが、「中小企業向け」に比べて控除割合は低めになっています。【目次】・適用対象、適用期間・必須要件・控除割合・上乗せ要件※本記事は2025年3...
【賃上げ促進税制】中小企業向け賃上げ促進税制の概要
中小企業向け賃上げ促進税制は、資本金の額が少なく従業員数の少ない利用できる法人・個人事業主しか利用できませんが、「全企業向け」や「中堅企業向け」に比べて控除割合が高めになっています。さらに、令和6年度改正により、税額控除を受ける金額が控除上...