おはようございます。
江東区亀戸の税理士・行政書士、大島崇史です。

先日、行政書士として遺産分割協議書の作成というお仕事を頂きました。

有価証券や不動産を売却し、お金に換えて相続人に配るという方法、

これを換価分割というのですが、

換価分割の場合には、遺産分割協議書の書き方が少し変則的になるので

ご依頼頂いたとのことでした。

いつも遺産分割協議書を見ると、

相続税はかかるのか?かからないのか?

ということをついつい気にしてしまいます。

税理士としての血がうずいてしまうのです。

ところで、遺産分割協議書を行政書士が作成するのは問題ないのですが、

税理士として遺産分割協議書を作成することに問題はないのでしょうか?

前職の税理士事務所では上司が普通に作っていたような気が・・・・

さっそく調べてみたいと思います。

まず、行政書士法の第1条の2第1項を要約すると

行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、権利義務に関する書類を作成することを業とする。

とあり、遺産分割協議書はまさに権利義務に関する書類ですので

行政書士が遺産分割協議書を作成するのは問題ないということがわかります。

また、行政書士法第19条を要約すると

行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。

ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

とあり、行政書士以外の人が業として遺産分割協議書を作成するには他の法律で定められていないとダメなわけです。

つまり、税理士法か何かの法律に「税理士は遺産分割協議書を作成できる」と規定されていれば問題なしです。

そこで、税理士法を調べてみます。

税理士法の第2条第2項を要約すると

税理士は、税理士業務のほか、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、

財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。

とありますが、遺産分割協議書が「財務に関する事務」とは言えませんよね?

ってことは、税理士が遺産分割協議書を作成することは行政書士法違反に!?

もう一度、税理士法を見返してみると

税理士法第2条第1項2号にこんなことが規定されています。

税理士は、他人の求めに応じ、税務書類の作成(税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類で財務省令で定めるものを作成することをいう。)を行うことを業とする。

つまり、税務署に提出する書類のうち、財務省令に定めるのものは税理士として作成して良いということになります。

相続税の申告上、税務署に遺産分割協議書を提出しなければなりません。

ということは、財務省令に遺産分割協議書が載っていれば大丈夫なわけです。

税理士法施行規則を調べてみると

税理士法第2条第1項第2号に規定する財務省令で定める書類は、届出書、報告書、申出書、申立書、計算書、明細書その他これらに準ずる書類とする。

とあります。

おやっ?

遺産分割協議書は「その他これらに準ずる書類」になるのでしょうか?

なかなか法律の解釈としては難しいのではないでしょうか?

そんなわけで、私としては税理士が遺産分割協議書を作成すると、行政書士法違反の疑いがあると思います。

一方、弁護士さんは遺産分割協議書を作成しても大丈夫なようですし、

司法書士さんは不動産の登記などで法務局に提出するためという名目で

遺産分割協議書を作成するのは大丈夫のようです。

インタ-ネットで調べてみると

「税理士が遺産分割協議書を作成するのは違法だ!」

という記載もありますが、一方で

「遺産分割協議書の作成が得意な税理士」という触れ込みや

税理士事務所の業務内容に「遺産分割協議書の作成30,000円」などという記載もあり、

実際には遺産分割協議書の作成をしている税理士は多い気がします。

ただ、私としては税理士法と行政書士法を調べてみると

税理士が遺産分割協議書の作成をすることは行政書士法に抵触する危険があると思いました。

ふと「遺言書の作成」についても同じなのかと思いましたが、

遺言書は別に「権利義務に関する書類」ではないので行政書士の独占業務ではないですね。

そのため、どの士業がやっても問題ないですし、士業でなくても問題ないわけです。

法律を違反すると「知らなかった」ではすまなくなってしまいます。

知らないうちに法律違反しないように各種法律に気を配らなければなりませんね。

<次回予告>
・遺言をテ-マにしたマンガ
・疎遠の親族が相続人に!?
・卒業生のメッセ-ジを寄稿しました