おはようございます。
江東区亀戸の税理士、大島崇史です。

以前、いろんな士業が「法人設立」という業務に参入しているというお話をしました。
<「会社設立はどの士業に頼むべき?」http://blog.oshima-tax.com/?eid=179

しかし、法人設立したいというニ-ズは減ってきている気がします。

法人設立した場合に、消費税が一定期間免除になるとか

役員報酬にすることによって給与所得控除が受けれますとか

法人化するメリットを説明するくらいで、

実際に法人化するお客様は減っています。

一方、「法人を解散して個人事業にした方がいいのかなぁ」という質問を受けることがあります。

どんなに赤字でも地方税の均等割り約7万円は毎年納税しなければなりませんし、

個人事業に戻した場合でも消費税が一定期間免除になります。

ただし、法人解散は安易にできるものではありません。

特に次のような場合には思いもよらない税金が発生してしまうことがあります。

固定資産が多い法人

法人を精算するときに固定資産を社長か第3者に売却しなければなりません。

その際に多額の消費税が発生する可能性があります。

もちろん、無料で贈与することも可能ですし、この場合には消費税は生じませんが

その場合には固定資産の時価相当額で寄付したものとされるので、

簿価と時価と差額が売却益、時価がそのまま寄付として取り扱われます。
(社長などに対して贈与した場合には役員報酬となる可能性があります。)

仕訳にすると

寄付等  ×× /  固定資産(簿価)   ××

/  売却益(時価-簿価) ××

という感じになります。

寄付はほとんどが損金(法人税法上の費用)とならないので、

売却益の分だけ法人税がかかってきます。

また、役員報酬となった場合には通常全額が損金不算入になってしまいます。
(事前確定届出給与などで損金算入することができるかもしれません)

社長借入が多額にあるような法人

法人が社長から多額に借金をしているような場合には

法人を解散する際に債務免除する必要があります。

社長としては「返してもらおうと思ってなかったし全然構わないよ」と思うかもしれませんが、

税務上は大問題なのです。

1,000万円の社長借入があり、そのまま債務免除した場合には

「債務免除益」として利益が1,000万円増加してしまいます。

欠損金(過年度の赤字)が利用でき、法人税が出ないのであれば良いのですが

欠損金が少なければ、解散時に多額の法人税が生じることになります。

実は法人成りをする場合のシュミレ-ションをするのは比較的容易なのですが、

一方、法人を個人事業に戻す場合をシュミレ-ションする方が非常に難しいのです。

いつか、法人設立のニ-ズより法人解散のニ-ズの方が多くなるのでは・・・?